廃校になった旧田川市立猪位金（いいかね）小学校が2017年に生まれ変わり、宿泊施設を備えた『なんでもできるを作る』場所としてオープン。校庭でBBQをしたり、教室で仕事をしたり本を読んだり遊んだり。レコーディングスタジオもあるので音楽好きな人たちが創作活動やワークショップなども行なうことができます。地域色豊かなイベントも開催。大人がワクワクするクリエイティブな空間です。

JR九州「ななつ星」や60以上の列車を手がけた水戸岡鋭治氏のデザインによる列車は、福岡県の伝統工芸「大川組子」やステンドグラス、寄せ木細工などこだわりの装飾が特徴です。注目すべきは3年連続「アジアのベストレストラン50」に選ばれた名シェフ福山剛氏監修の本格フレンチのコース料理。沿線沿いで採れる食材が彩り豊かに並びます。直方駅から行橋駅まで、コトコト揺られながら贅沢なひとときを過ごすことができます。土日祝日運行。

明治以降、日本の近代化を推し進めたエネルギー・石炭。筑豊炭田は一大石炭生産地で、博物館は三井田川鉱業所伊田竪坑の跡地にあります。石炭の成り立ちや、採掘方法、炭鉱で働く人々の暮らしぶりなどが展示され、炭鉱の歴史の奥深さを知ることができます。国内初のユネスコ世界記憶遺産として登録された「山本作兵衛コレクション」の展示も必見！また田川市のシンボルといえる二本の煙突と竪坑櫓、そして復元した炭鉱住宅があり当時の隆盛に思いを馳せることができます。

江戸時代末期から続いている醤油・味噌の醸造元「浦野醤油」。伝統の味を守りつつ開発にも積極的で、今人気なのが『にじいろ甘酒』シリーズです。福岡県産米と麹の力だけで作った甘酒は、無添加・アルコール0％・砂糖不使用。ビタミンB群や必須アミノ酸など栄養豊富な昔ながらの甘酒に、福岡県産の旬の果物や野菜を加え、その名の通りにじいろの美味しさに。夏はトマト、秋は巨峰など季節限定の味がおすすめ。そのほかスムージー、味噌玉などオリジナリティ溢れる商品が楽しめます。

静かな田園地帯に隠れ家のようにひっそりと佇む古民家は、「旧竹内邸」を改修して郷土料理の店としてオープンしました。地元の旬の野菜を、文殊会の女性部が伝承の方法で調理。お煮しめ、刺身こんにゃく、山菜の天ぷら、鰯の梅煮など、なんと10種類以上のメニューが並びます。料理の器は蔵から出てきた古き良き時代のもの。重厚な柱や梁と漆喰の落ち着いた室内も味わい深い空間で、心温まるひとときを過ごすことができます。金・土・日の営業で要予約。

福岡・八女の伝統的工芸品として古くから親しまれている八女提灯。創業200年以上、時代の変化に合わせ重要文化財や神社仏閣、お祭り用などの提灯を作り続けているのが伊藤権次郎商店です。8代目の博紀氏はその研ぎ澄まされた感性を生かし、古き良きものを新しい形に変え、提灯のさらなる魅力を創造しています。世界に名をはせる企業が作る映画の美術セットを手がけたり、先進気鋭のクリエイター達とのコラボなど、独創的なアイデアで新しい伝統工芸の形を追求しています。

「田川伊田」駅の真上にあるホテル。部屋の目の前に電車が通るのは全国でも珍しく、鉄道ファンにはたまらないレアなシチュエーションです。　寝台列車をモチーフにして作られた客室は、2段ベッド2台の4人部屋、2段ベッド＋セミダブルベッドの3人部屋、セミダブルベッドの2人部屋など全11室。何れも1名から利用できます。展望デッキからはライトアップされた石炭記念公園の二本煙突とトレインビューを楽しむことができ、ユニークな空間にテンションも高まること間違いなし！です。

九州ちくごのアンテナショップとしてスタートし、現在、販売だけでなく地域やものを介した文化の共有拠点として様々な活動を行っています。作り手の思いはもちろん、土地や歴史、人々の営む風景まで大切にした店づくりは、訪れる人々の愛郷心に響き魅了される人も多いよう。2021年10月には、九州の手仕事を体験・体感できる宿『Craft Inn 手［té］』がオープン。藍・竹・和紙をテーマにした部屋からは九州クラフト文化の息づかいが聞こえてきそうです。（photo/Koichiro Fujimoto）